下狛の郷愁風景

京都府精華町 【農村集落】 地図
 町並度 5 非俗化度 9 −神社に見守られるように展開する農村集落−
 


 


 
鞍岡神社の鳥居前を中心に展開する下狛の町並
 

 精華町下狛地区は府の南部、木津川左岸の低地の西側に丘陵が迫った辺りに集落が開けている。JR片町線・近鉄線と並行する府道を北上すると、丘を背負った風情ある集落といった佇まいが見えてくる。
 丘の裾に鞍岡神社の鳥居が見え、参道の一本道の両側には立派な門を持ち、土蔵を従えた旧家が連なっていた。神社に見守られるように展開する集落である。参道から派生する小路・路地に沿っても風情ある集落風景が展開していた。主屋は引っ込んだ位置にあるのか余り目立たない代りに、主張するのは塀と土蔵であった。
 鎌倉・室町期は下狛荘と呼ばれた荘園で、江戸期の下狛村には谷村・僧坊村・里村・船頭村が含まれ、それぞれ下狛を冠称していた。歴史の古い農村集落だったのだろう。茶や綿・煙草をはじめ菜種などが江戸から明治前期の物産として記録されている。
 南東に5kmほどの木津川右岸に上狛という地もある。同様に農村集落で、中世に開発された環濠集落でもある。どのようなつながりがあるのかは判らないが、興味深い所ではある。


 
 



 
 


訪問日:2020.09.19 TOP 町並INDEX