新町の郷愁風景

群馬県新町<宿場町> 地図 <高崎市>
 
町並度 3 非俗化度 8 −中山道 上州の入口の宿駅−
 





新町の町並 右上は旧明治天皇新町行在所


 新町は埼玉県に接する位置にあり、高崎線の駅が設けられている。
 ともすると通過点でしかない地区ではあるが、江戸時代には中山道が横切り、新町宿が設置されていた。当初は北側の玉村を通っていたが、17世紀半ばの正保年間に烏川の南の落合村と笛木村を通って倉賀野へ抜ける街道が開かれ、こちらが主となった。新しく宿場が発達し、落合新町、笛木新町と呼ばれ、やがて町場が発達すると一括して新町宿と呼ばれるようになったという。
 更新的な宿場町ながら本陣2、脇本陣1のほか旅籠43を有し、日光例幣使街道を分岐する隣の倉賀野宿ほどの賑わいではなかったものの旅籠の数では匹敵するものがあった。もとの落合村・笛木村の境界部に高札場が設けられていた。
 駅前から500m余り歩くと達する県道178号が中山道を踏襲している。ただ一見したところでは都市郊外の静かな住宅地・商業地といった町並が広がるばかりである。それでも歩いてみると二階の立上がりが高い鬼瓦を持つ商家、裏手に向けて土蔵などを持つ奥行深い邸宅などもあり、新興市街地とは異なる歴史に根ざした町であることを知ることが出来る。
 旧中山道沿いや宿場町であったことを示す案内看板類も少なく、その輪郭も既に曖昧なものになっていた。そんな中に明治天皇新町行在所の標識のある建物が眼につく。明治11年の北陸・東海地方の巡幸を受けて新築されたものとのことで、その後も賓客の休泊所として利用されていたとのことである。





訪問日:2018.06.10 TOP 町並INDEX