白須賀の郷愁風景

静岡県湖西市<宿場町> 地図 
 町並度 6 非俗化度 7 −起伏のある台地に開ける東海道宿場町−

坂道に沿って密度濃い町並が見られる白須賀の町並


 湖西市白須賀は愛知県との県境近く、海岸に近い小高い所にあり、東は浜名湖の今切口まで10km弱、西はなだらかな海岸線が渥美半島へと連なっている。
 旧東海道が通過し宿駅が設けられ、西の二川宿へ1里17町、東の新居宿へ1里24町の位置にあった。もともとは海岸部に展開していたが、宝永4(1707)年に津波の被害を受けたことで潮見坂上にある現在地に移転している。本陣・脇本陣それぞれ1、旅籠27を有していたが、本街道の周囲の農家も宿屋と兼業するものが多く、数値よりも収容能力は高かったようだ。
 豊橋や浜松の市街地ともそれほど遠くない位置にあるが、周囲は緩やかに起伏する台地で長閑な風景が展開している。この旧宿場街も、そのような地形の只中に建設されたらしく坂道にとなっている。
 それがまたこの町並の風情を高めているといえよう。家々はそれほど古いものではなく明治以降の建築だろうが、それら小規模な平入りの町家が一軒一軒段違いとなって連続性高く連なっている。西側に遠見遮断を図る桝形があって、そこから西は平坦な街路となっていた。
 宿場の面影はあるものの町並としての見応え度に今ひとつ欠ける旧東海道にあって、この白須賀は比較的古い町並としてのまとまりが感じられる。見たところ全く保存の手が入っていないことも稀少価値が高いものである。その特徴を生かした今後の町づくりを期待したい。









訪問日:2009.01.03 TOP 町並INDEX