兵庫県波賀町 <街道集落> 地図(上野) 地図(鹿伏) <宍粟市> 町並度 4 非俗化度 8 -因幡街道(若桜街道)沿いの町並- |
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上野地区 | |
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上野地区 | 鹿伏地区 |
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鹿伏地区 | |
波賀町は県の西部、揖保川支流の引原川沿いにわずかに開けた平地に集落や農地が散在する山間の町である。北部は但馬地方や鳥取県との峠が控えている。 鳥取県への街路は現在国道29号となっているが、これはかつての因幡街道を踏襲したものである。播磨と因幡をつなぐこの街道は三日月、平福、大原などを経由する本街道のほか、波賀を経て戸倉峠を越えるこのルートも利用されていた。この往来は若桜街道と呼ばれることもあった。 上野地区は町の中心で、狭いながらも平地が展開し水田や耕地が見られる。国道より西側に旧街道が残り典型的な街村の形を示している。南側を中心に商店街となっており伝統的な建物は散見される程度である。しかし土蔵を従えた旧家など一見して歴史の古い家並であることがわかる佇まいであった。一部には茅葺を思わせる旧家もあった。 鹿伏地区は但馬に向う若杉峠への追分を控える地にあり、ますます深山の趣である。国道の交通量こそ少ないものの、大型車などが高速で通り過ぎるばかりのこの地区に意外性を感じる街道集落の連なりがある。短い区間ながら平入りの家々が連なっている。トタン葺が目立つのは峠下の寒冷な土地のせいだろうか。無住になり更地になることなく連続性が保たれているのは奇跡的と言えるかもしれない。道路の改修にあたり、街路が支流の流れに沿うように急曲する線形であったことも幸いしたと思われる。 町並として注目されることもないと思われ、街道集落らしい面影は漸減しやがて失われてしまうだろう。現在の記録として残しておきたい。 |
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訪問日:2021.06.26 | TOP | 町並INDEX |
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