志筑の郷愁風景

茨城県千代田町<陣屋町> 地図 <かすみがうら市>
 
町並度 5 非俗化度 10 −厳かな門や塀が特徴的な旧陣屋町−












中志筑の町並


 ここで紹介する志筑地区は平面座標的には霞ヶ浦と筑波山との中間点付近にあり、周囲には田園地帯が広がっている。
 今では石岡方面から筑波方面への通過点でしかないこの地区は、関ヶ原の役の後に常陸国主であった佐竹氏が秋田に転じたのと入れ替わりに本堂氏が志筑に入った。志筑藩は1万石に満たぬ小藩ながら明治維新まで継続した。
 水戸街道の稲吉宿の助郷(宿駅業務を補佐する周囲の村)としても指定されていたという。
 県道138号線を石岡市方面から西進すると、直線的な街路の両端に塀に囲われた邸宅が散見される風景が展開してくる。或るものは厳かな長屋門を通りに面させ、また他のものは茅葺の屋根を現在に残していた。いずれも広い敷地を持ち豪壮という印象そのものの屋敷群である。 
 この町並は探訪中に偶然通りがかって急遽取材したものであり、資料が今ひとつ乏しいのだが、志筑陣屋を中心とした地域の政治中心としての歴史が、今にも威厳を感じさせる家々の佇まいとして継承されているのだろうか。屋敷群の生垣や中庭には樹木が多く植えられ、緑濃く清々しさも感じる町並風景であった。

 
 

訪問日:2014.05.04 TOP 町並INDEX