静間・鳥井の郷愁風景

島根県大田市【漁村・港町地図
 町並度 4 非俗化度 10 −静間川河口付近に開けた2つの港−






静間の町並
 

 この静間及び鳥井の町並は、三瓶川下流域に開ける大田市の中心から小さな丘陵を挟んだ海岸部にあり、互いに隣接している。
 江戸時代はいずれも幕府領で、鳥井は大森代官所支配地であった。
 静間は和江浦と魚津浦という2つの漁港を持っていた。現在は地区の北端に立派な漁港施設がある。一方で、海岸沿いから一筋入った路地には渋い家並が展開していた。ここが従来はメインストリートだったらしく、現在でも店舗が見られる。板壁が多用された家屋が印象的で、車の通行も困難な道幅であることもあり集落が賑わい盛んだった頃の姿を多く留めているといえよう。
 鳥井地区は静間地区よりやや面的、散在的な家並の広がりを持っている。東端付近に神社、西端部に漁港があり、その間に家並が開けている。西部ほど家並が密集しており、心光院という寺の門前付近には連続した古い町並景観も見られた。
 江戸末期の記録では半農半漁で、船は漁船52の他荷船11があり、廻船に携わっていた者もあったかに思われる。
 双方とも平坦な土地に展開し、その点では狭い平地に展開する密集漁村集落などとは異なり、家々の建て方にも余裕があるように感じられた。
 




鳥井の町並
訪問日:2015.07.19 TOP 町並INDEX