庄野の郷愁風景

三重県鈴鹿市【宿場町】 地図
 
町並度 4 非俗化度 6  −東海道としてはやや小規模な宿場町だった−





 庄野地区は東海道の本宿に指定されていたところで、鈴鹿市街地からは鈴鹿川を挟んだ左岸側に展開している。
 




庄野宿資料館(旧小林家)




 


 東海道の宿場町としては小規模で、これは隣接の石薬師宿からの距離が短いことと、伊勢参りの通行客が少なかったことが影響しているようだ。東からの旅人は現在の四日市市域にある日永追分から伊勢街道を経由し、畿内方面からは関宿を経て伊勢別街道に入るのが一般的であったからである。本陣と脇本陣は定められていたが、旅籠は20軒前後であった。
 それでも大名行列のほか、幕末の頃になると臨時の大通行も増え、助郷も広範囲に及んでいた。
 国道1号線の西側に旧東海道は明確に残っており、袖壁を配した町家や土蔵などが見られる。しかし、連続性を保っている箇所はわずかであり、宿駅時代の名残が十分に町並風景として残っているとは言い難い。
 そんな中に唯一公開された旧家があり、庄野宿資料館として無料開放されている。代表的な町家であった旧小林家が保存され、内部には宿場関係の資料を中心に陳列され、無料とはいえ中庭や箱階段など商家らしい見応えのある施設である。
 枡形はなく一直線に連なる町並は見通しが良く、爽快感を覚える探訪であった。


訪問日:2012.11.04 TOP 町並INDEX