嘉万の郷愁風景

山口県秋芳町【在郷町】 地図 <美祢市>
 
町並度 5 非俗化度 10 −秋吉台の麓に開ける在郷町−
 




嘉万の町並

 秋芳町嘉万は秋吉台の西麓、比較的平坦な土地が連なる中に展開する。国道316号・美祢線より5kmほど東の道筋である。
 既に中世初期には見える地名で、室町頃は嘉万別府または嘉万郷、以後は嘉万市とも呼ばれていた。その通り在郷商業町として栄えたのがこの町並の特徴で、江戸期の記録によると、上市・中市・下市があり家数52とある。産業も盛んで、秋吉台で豊富に採掘される石灰石を核に、養蚕業、種馬の生産なども盛んに行われた。
 もともと屋敷地として発達したところでもあり、市立てされ商工業が発達したのは自然なことだったのだろうが、現在の周囲の長閑な田園地帯そのものといった風情からは、いささかの驚きを感じる。突如として現れるという雰囲気のこの町並は街村的に南北の街路に沿いほぼ限定されており、正明市(長門市)と厚狭方面とを結ぶ街道集落的な要素もあったのではと思わせる。
 中でも町並の北側には妻入りの厳かな旧家が二棟残っているのがこの町並を象徴している。格子も良く残り、公開してほしいほどの立派な建物である。鄙には稀なという言葉があるが、それを想起させるような重厚な二軒の旧家であった。
 









訪問日:2014.11.03 TOP 町並INDEX