下市の郷愁風景

広島県総領町<市場町(在郷町)・宿場町> 地図 <庄原市>
 
町並度 4 非俗化度 10 −銀山街道沿いの市場町 宿駅の機能もあった−


 

下市の町並。所々に伝統的な家屋が残っている。



 総領町は庄原市の南東側、吉備山地の北西部に開ける町で、現在は市域の一部となっているが以前は県下で最も人口の少ない町だった。
 中世からここには田総荘と呼ばれた荘園が置かれたところで歴史は古い。江戸期になると毎月8の付く日に市が開かれ、近在の村々から人々が集まり、在郷町として地域の拠点的役割が増している。近くにある龍興寺の33年に一度のご開帳の折には、1ヶ月間に渡り芝居小屋なども出て大層な賑わいをしめしていた。紙漉きや木材など地場産業も活発で、近代に入り国鉄福塩線が町から離れた所を通るなどして衰微するまで、地域の中心地としての役割が続いていた。
 また、この町は石見の銀山と尾道とを結ぶ街道、通称銀山街道が通過し、稲草宿と呼ばれる宿駅も設置されていた。南に上下、北に庄原という天領地や大町場を控えていたものの、中継地として旅人の利用も多かった。町場は上市・下市の2つに大別され、下市の方が規模的にやや大きかった。
 その下市地区には現在も街村的に一本道に沿いかつての面影が見られた。軒の揃った2階屋の連なる家並は、街道集落らしい統一された町並という感がする。一部は袖壁や海鼠壁、出格子といった伝統的な意匠も見られ、古い町並としての体裁を保っていた。
 国道から外れたこの町は人通りも車の通行も極めて少なく、過去に埋没しつつあるように感じた。






下市の町並



下市の町並


訪問日:2005.08.07 TOP 町並INDEX