山田の郷愁風景

大阪府吹田市<農業集落> 地図
 
町並度 4 非俗化度 8 −新興住宅地に囲まれしぶとく残る農村集落










山田東4丁目の町並


 山田地区は吹田市域の北部、阪急千里線の駅と大阪モノレールとの接続駅があり梅田方面、伊丹空港や門真市方面と直結している。 また万博記念公園が北に隣接し、高速道路も近隣を走っている。
 このような概要から、古い町並が残存しているとは俄かには信じがたいところである。
 江戸期には山田小川村とも呼ばれ大半が山城淀藩領として経過している。農村集落であり、在郷商業町などとして発達したという記録はない。ただ、山田川の狭い谷間となっているこの付近は古くは山田荘と呼ばれ、稲作に適した豊かな土地だったといわれる。
 山田駅から東に10分ほど歩き、バス通りとの小さな交差点から南東方向に細い道が伸びており、この川沿いの街路に沿って伝統的な建物が見られる。多くは農村集落らしく塀に囲われた広い敷地を持つもので、土蔵を従えている。瓦屋根を載せた厳かな門を持つものもあった。
 周囲が住宅地として開発される以前は、この川沿いに限定した形で集落が立地していたと思われるが、現在ではその境が不明瞭なほどになっており逆にこの風景が残っていることが不思議に感じる。
 しかしこのような農村集落風景は、大阪の郊外地区では現在でも比較的よく見られるものである。大消費都市を控えて、豊かな農家が多かったことによるものか、その理由は定かではない。
 






  
訪問日:2014.07.19 TOP 町並INDEX