岸部の郷愁風景

大阪府吹田市<農村集落> 地図 
 
町並度 4 非俗化度 8 −都市化の中に残る農村集落の佇まい−

 

 

 吹田市岸部地区は市街中心より3kmほど北東に隔てた付近で、JRの駅は岸辺と表記される。古くは吉志部と書かれていた。
 駅前には大規模な医療センターやチェーン店等の並ぶ風景が見られ、古い町並が展開しているとは全く想像が出来ないものである。しかし、北に5分と足を進めるとにわかに細い路地が多数派生する区域が展開し、豪農を思わせる邸宅が散見される。
中西家住宅の長屋門   
 



 
   
 
 
 古くから農村地帯で裸麦・小麦・米・大豆・綿などが特産品だった。明治中期に吉志部村から岸部村となり、昭和15年に吹田市に編入されたが、特に岸部4・5丁目付近には吉志部村時代を思わせる町の風景が見られる。その象徴が立派な長屋門を持つ中西家住宅だ。江戸期に大庄屋をつとめ、塀に囲まれた広い敷地には主屋や米蔵をはじめ、本格的な庭園もある。
 大光寺という寺前を南北に貫く道は古い街路で、この道沿いを中心に家並が形成されてその一部が今でも残っていることで、古い町並的な風情を感じることが出来る。中西家ほどの規模ではないが長屋門風の門を構えた御宅、土蔵を従えた御宅、元茅葺らしいトタンに覆われた屋根を持つ家も見られた。
 周囲の全く現代的な町並風景との対比は滑稽な感を抱かせる。細い路地が多く古くからの立派な家々が多いことが抜本的な変化を妨げているのだろうか、いずれにせよ大変貴重な都市風景の中の古い町並である。
 
 



 
   
 



 
   

訪問日:2026.07.15 TOP 町並INDEX