洲本の郷愁風景

兵庫県洲本市<城下町> 地図
 
町並度 4 非俗化度 8  -淡路島の中心都市-


 洲本市は淡路島の南東部、大阪湾に面する町である。島とは思えない広々とした平地を後背地に従えた所で、この洲本平野は稲作をはじめとして県内でも屈指の農産地帯となっている。
本町七丁目の町並




本町七丁目の町並




本町六丁目の町並 本町四丁目の町並


本町一丁目の町並

          

 江戸時代には洲本城が構えられ、城下町として発達した。淡路島の東玄関は現在の洲本の中心市街より南東に位置する由良に長らく置かれていた。17世紀前半の寛永期に洲本に移り、以後淡路の政治・経済の中心は洲本に据えられることになる。
 蜂須賀氏により藩政時代の淡路島は統治され、その中心となった洲本城。城下町が形成され各種商人が居住し、屋根瓦や製紙などの地場産業も発達している。しかし参勤交代時の港は依然由良港が使用されており、全てにおいて淡路の中心というわけではなかったようだ。産業として瓦の生産、そして製紙業があった。
 町は地方都市といった面持ちで、表向きには大きな特徴は見られないがアーケードに長々と覆われた商店街とその周辺の路地に伝統的な姿が散見される。商店が立ち並ぶこの付近が古くから洲本の中心なのだろう。平入りの町家建築をはじめ洋風建築が残っているのは、維新後の先進地区として発達していたことを示している。
 古い町並として連続したものは多く残っていないものの、各時代を通して中心的な町であったことは歩いているとよく理解できる。
 

 

訪問日:2010.09.19 TOP 町並INDEX