周参見の郷愁風景

和歌山県すさみ町<港町・漁村> 地図
 町並度 5 非俗化度 9 −海運業・漁業で栄えた町−
         




周参見の町並

 
 すさみ町は本州南端の串本町に接し、黒潮に洗われ温暖な気候に恵まれたところで、またイノブタなどの名産品でも知られるところである。近年、自動車専用道により阪和道方面とつながり、利便性が向上している。
 江戸時代には周参見浦と呼ばれ、和歌山藩の代官所が置かれていた。周参見浦の入江は天然の良港として古くから利用されており、商港として発達した。周参見浦代官所は周囲の漁村をはじめ、内陸部の諸山村を支配していた。
 周参見浦は海運業を軸に、黒潮の恵みで漁業にも恵まれ、それを糧にした産業も発達した。また幕末頃からは内陸部で林業もはじまり、木挽や薪炭も多く生産された。
 大正期以降は、外洋で鰹やマグロの漁が盛んになり、更に対馬や五島方面などの遠方も漁場とした。また、オーストラリアやフィリピン等に移民するものも多く現れた。
 国道42号線と紀勢本線の間の街路沿いに古い町並が残る。2階部の立上がりが低いつし2階形式の町家風建築も複数見られ、もしかすると江戸期に遡るものもあるのかもしれない。それほどの規模のものではないが、歴史性は十分伝わってくる町並であった。 
 








 
訪問日:2015.12.27 TOP 町並INDEX