家中の郷愁風景

香川県多度津町<武家町> 地図
 
町並度 4 非俗化度 8 −1万石の小藩・京極氏の陣屋町−






家中の町並 広大な敷地を有する元家老屋敷 家中の町並




家中の町並 家中の町並


 多度津は古くからの港町で、金毘羅参詣の海の表玄関として重要な役割を果していた。その発展の基礎となったのが、17世紀後半に京極氏が入部して形成された多度津藩であった。当初は丸亀藩の支藩のような位置付けで、藩主は丸亀城に起居していたが、4代高賢の時に多度津陣屋の構築を幕府に許され、文政12(1829)年に陣屋町が完成し藩主がここに移り住んでいる。
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「多度津の郷愁風景」は港町としての町並を紹介しているので、ここでは陣屋町の遺構が残る家中地区を改めて紹介する。
 港町の商業地区は町の中央を流れる桜川の左岸に配置し、川を挟んだ家中地区に武家町を形成していた。現在でもこの区画には街路が所々鍵の手になり、また袋小路が多く残るなど士町独特の町割を呈している。そして家並は近代化されながらも、土塀を連ねた武家住宅の名残や、本瓦を載せた薬医門なども幾つか残り、重厚な歴史を秘めた町並であることを感じさせる。
 中でも町の文化財に指定されている家老屋敷の周辺は、塀に囲われ入母屋・本瓦葺の厳かな元家老職の屋敷が残るなど、1万石の小藩ながらその威厳を感じさせる佇まいであった。




家中の町並 「富井家元屋敷」とある建物の門
訪問日:2004.12.11 TOP 町並INDEX