大社門前の郷愁風景
島根県大社町<門前町> 地図 町並度 5 非俗化度 7(町並として)−社家街も残る出雲大社の町− |
出雲大社そのものについては、あえて触れる必要のないほど全国でも指折りの大神社であり、そのいわれを解くと、紙面も足りないのでここでは本題に即し町並のことに絞って書く。 出雲大社は杵築(きづき)大社とも言われ、門前町も西側と南側に大規模に立地していた。杵築二千軒と称されたこの町は街路集落をなし、中でも西へ向い稲佐の浜と呼ばれる日本海岸へ伸びる家並は1.5kmほども連なり、雁行するように通りに対して斜に並んだ家並は、逆に整然とした印象を与える。 この門前町は社家の家並がまとまって残ることで、京都市北区の上賀茂地区と並び全国でも代表的なものである。社域の東側の真名井通りには、土塀が連なる社家街があり、この辺りは人通りも少なく静謐な神域を醸しているようだ。ここには国造を称する代表的社家の1つ、北島家の構えが厳かである。当家は旧男爵家で、出雲教という神道を管掌し、結婚式場も備える。さすがに出雲大社ともなるとスケールが大きいものである。 |
神社の東側、真名井通といわれる社家街。 左は屈指の社家、北島家。 |
門前町として古い歴史を持つ杵築地区。このように屋敷型の旧家も散見されます。 | これは間口は非常に狭いですが50m以上の奥行を持つ土蔵造りの町家。 |
門前の通りより派生する路地にも古びた家々の見られる箇所があります。 | 焼塀と漆喰などを用いた屋敷型家屋があちこちにあります。これらも社務に関係した家々なのでしょう。 |
西側、南側の門前の町並の中にも、塀に囲まれた広い敷地を有する旧家の姿があちこちに見られ、いずれも社家か、神職に関与した家であることをうかがわせる。虫籠窓をつけた古い酒屋、古い旅館などが情緒を感じさせるが、連続した古い町並というほどではない。しかし家並全体に一見雑然としているようであっても、拭い清められたような統一感があるのは、やはり大神社の門前町であるからだろうか。 |
訪問日:2002.09.15 | TOP | 町並INDEX |
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