高城の郷愁風景

宮崎県高城町<商業町・武家町> 地図 <都城市>
町並度 4 非俗化度 7 −都城盆地辺縁の在郷町−













高城の町並 表通りには商家 裏手には風情ある路地や武家門の残る風景がある
 

 高城町は県の南西部、都城盆地の東部にありほぼ平坦な農地が広がっている。
 江戸初期に鹿児島藩領となり以後維新まで薩摩の影響下にあったこの地は、外城制度のもとで藩の防衛に携わった麓集落として位置づけられていたが、同時に諸県地方北部の一中心として商業が発達し、商家が建ち並ぶところともなっていた。
 町の中心にその存在感を示す旧後藤家は江戸時代からの大地主で、養蚕や製糸産業を起こし先んじて地域の発展に尽力した有力者であった。現在でも明治33年建築の母屋その他が残っており、道路拡張により近代的な面立ちとなっている中異彩を放っている。現在、商家資料館として公開されている。
 この後藤家と道路を挟んで反対側にも塀に囲まれた屋敷型の邸宅があり、裏手には土蔵を従えている。この土蔵の織り成す路地はなかなかの風情を醸し出すよい風景であった。
 また、麓集落としての歴史も、その遺構としての門や石垣が複数残されていることで証明される。門は厳かさこそ淡いものの凛とした風格を漂わせ、町並景観にアクセントを与えているようだ。主な門には案内板が建てられており、訪問者を意識した色が伺えた。
 
 
 

訪問日:2014.01.02 TOP 町並INDEX