高松扇町の郷愁風景

高松市扇町他【商業町】 地図 
町並度 4 非俗化度 8 −駅から徒歩圏内に町家建築がまとまって残る−




 


 扇町は高松駅の西方、線路より南側の一帯を指す。元々は西浜町、浜ノ丁などと呼ばれ、漁港にも近く漁業従事者も少なくない地区と言われる。
 高松の市街地は太平洋戦争時に一様に被災しているが、この扇町界隈は例外だったようで古い町並が残っている。東西の一本道を中心に商家風の建物が目立ち、本瓦や虫籠窓といった意匠を残しながら一部には連続性の高い箇所もある。都心に近い位置にあることで稀少性が高いと言えよう。
 この東西の一直線の道はそのまゝ東に進むと高松市街中心の商業地区に達し、また線形も一直線であることから古くからの主要な街路であったと思われる。東側の錦町付近と合わせ、寺院が多く目につくのも歴史の古い街区であることを示しているようだ。古い町並は西に高徳本線の踏切付近まで続き、また北側の路地などにも古い建物が散在し面的に展開している。
 銭湯や昔ながらの商店の姿もあり、それらを種に町を売り出すといったことも起りそうな町並だが、訪ねた限りではそのような色は皆無であり、それがまた貴重な姿に思えた。 

 












訪問日:2021.04.25 TOP 町並INDEX