広瀬の街道風景

福井県武生市<街道集落> 地図 <越前市>
 
町並度 5 非俗化度 10 −海岸部とを結ぶ街道上に発達した集落−




武生の市街地から南西に3km余り、田園地帯に広瀬地区の町並が展開する。
 日本海岸の重要な港で西廻り航路の船も利用した河野浦と武生を結ぶ街道(西街道)がここ通過し、広瀬には宿問屋が置かれ、宿駅として賑わっていたという。また中小街道を分岐する位置にもあり、周囲の農山村から物資が集まり、商業も栄え在郷町的賑わいもあった。福井藩の米蔵もあり、年貢米が河野浦など港に運ばれた。
 町並は県道19号の南の旧道に沿い展開する。2km近くも家並が続きなかなか大きな街道集落である。町を歩いての印象は、まず土蔵が多く眼につくという点である。母屋に属した姿だけではなく、複数棟連続した姿も見られる。また門を持つ敷地の広い邸宅も数軒見られ、厳かな印象を抱く。そうした町並風景から、宿場町や在郷町というよりは農村集落といった印象を受ける。集落の家々はそうした恵みがなくとも、背後の農村地帯で豊富な農産物が得られ、各家がそれらのみで自活できたからだろう。
 個々の建物や町並としての認識はないようだが、活用次第で魅力が十分引出せる質及び量を持っている。
 


門や塀を従えた邸宅も見られる広瀬の町並









訪問日:2018.08.11 TOP 町並INDEX