浜須井・切浜の郷愁風景

兵庫県竹野町【港町
地図(浜須井) 地図(切浜) <豊岡市>
 町並度 5 非俗化度 8 −海水浴場としても知られる竹野海岸の二集落−



 





浜須井の町並 小規模ながら舟屋も見られる 


 竹野町の海岸は小半島と入江が交互に連なり、風光も優れたものがある。入江や半島基部の穏やかな地形の箇所には海水浴場も点在している。
 浜須井・切浜地区とも海水浴場を持つ集落だ。浜須井地区は出石藩領であった江戸期は内陸1kmほどにある奥須井地区とあわせ須井村と表記されているものもあるが、奥須井村・浜須井村に分村したとされる記録もある。元文4(1739)年の記録では188名の人口を擁し、船5・牛5とあるので半農半漁の集落であったと推測される。
 板張の家屋が連なり、統一感のある家並である。個々の家屋は漁家か農家か今一つ判然としないが、海岸に近い一部には1階部分が開放的な構造となっているものも見え、何軒かは商店もあったのだろう。集落を少し外れた海岸には、小規模ながら舟屋が見られた。
 集落内を山陰本線の土堤が横断しているが駅はなく列車は通過するのみである。レンガ積の古めかしいトンネルで潜り、細道をしばらく南下すると奥須井地区に至る。
 切浜地区は浜須井地区より東に1kmほど、小半島の基部に砂浜海岸が展開する。海水浴場や冬場の蟹などもあり、浜須井地区よりは客の訪れも多いようで旅館や民宿の姿もあった。江戸期は塩が特産物で藩にも上納されていたといわれている。こちらも狭い平地に板張りの家屋が建ち並ぶ。
 訪ねた時は海水浴も蟹もオフシーズンで、両地区とも幹線道路からは離れているため静かなたたずまいであった。 
 








切浜の町並

 

訪問日:2021.06.26 TOP 町並INDEX