滝原の郷愁風景

三重県大宮町【門前町】 地図 <大紀町>
 
町並度 5 非俗化度 9 −滝原宮の門前町−




滝原の町並 町家と土蔵が風格ある風景を形成している 




 

 大宮町滝原は伊勢地方の南部、志摩半島の付け根にあたる。紀勢本線や国道42号線が通るが、山間の静かな町である。
 伊勢神宮の別宮に格付けされている滝原宮が鎮座する地で、諸行事は本家の神宮に準じて行われる他、地域土着の信仰によって開催されるものもある。入口のさまは大変由緒ある神社らしい厳かな空気が漂っている。
 神社前には旧熊野街道が南北に走っている。この街道に沿って門前集落が形成されていて、味わいのある散策路といった深い風情を感じることが出来る。
 宿駅としての記録は残っていないので、その姿は街道沿いに展開した商家群であり、またかつては旅人を相手とした土産物屋などの類もあったに違いない。街道は起伏のある地形に忠実に緩やかに曲線を描き、また坂道をはさみながら続き、旧道らしい匂いがする。そして家々は伊勢地方らしい木質感の高い妻入り町家が主体で、それが街道集落のように連続するのではなく土蔵や生垣などを挟みながら開放的に展開する。いかにも門前町らしい格式を感じさせるたたずまいである。
 また一部には多くの土蔵を従えた敷地の広い邸宅も見られ、豪商であったであろうことがわかる。

 






 

訪問日:2010.10.10 TOP 町並INDEX