詫間の郷愁風景

香川県詫間町<港町> 地図 
 町並度 3 非俗化度 10 −廻船業と塩田で発達した町−
 




 詫間・須田港地区の町並


 詫間町は県の西部、瀬戸内海に向けて突出した荘内半島の東基部にあたる。町の中心付近は比較的低平な土地が展開し、市街地と田園が広がっている。また粟島とを結ぶ定期航路もここから発着する。
 丸亀藩領だった江戸期は港町として栄え、地形的条件から廻船業が発達した。船主の中には、大坂や箱館に出店を持つものもあった。石見浜田、但馬今子浦、越後出雲崎の入船記録などにも、詫間や粟島船籍の廻船の寄港が記録されている。
 近隣の海域では漁獲にも恵まれ、鯛やサワラなどが名産とされ、また鰯や蛸なども多くの水揚げがあった。また塩田も有名で江戸前期の元禄期の頃には早くも沿岸部の開拓が始まっている。今でも港の東側に塩生という地名があり、その他にも塩の付く地名が多いという。
 古くからの町は港を取囲むあたりで、須田と呼ばれているようだ。その中心となっているのが「三豊鶴」の看板を掲げた造り酒屋だろう。街路沿いは廻船業者の名残は余り感じることができず、伝統的建物は散見される程度であった。古い町並というにはいささか物足りぬ風情ではあるが、家々の造りや路地の風景から歴史のある町であることが伝わってくる。
 








訪問日:2017.08.13 TOP 町並INDEX