丹波島の郷愁風景

長野市丹波島【宿場町】 地図 
 町並度 4 非俗化度 8   −善光寺を対岸に控える玄関口的な宿駅−
 



 
 



 
 



 
旧丹波島宿の町並 


 善光寺からは各方面への街道が縦横に巡り、各道は要に向けて賑わいを増していった。北国脇往還と呼ばれた街道は同時に善光寺街道とも呼ばれ、この呼ばれ方をされた街道も一つではない。
 北国脇往還において善光寺門前に最も近い宿駅が丹波島宿であった。犀川を挟んで対峙しているといってよい位置だが、犀川の渡しは度々川止めとなり街道上の難所でもあった。そのため宿役は重く、通行が多い折には百姓を徴用し、多くの助郷に頼らざるを得なかった。
 宿場町は東西の一直線の街路六町(600m強)に展開、旅籠等が立地し、本陣や問屋も置かれていた。西は於佐加神社、東は犀川の渡しに向う桝形でそれぞれ限られていた。
 街路の両側に二階の立ち上がりが高い商家風の建物が散見される。それらの姿から、現在残る建物は宿駅時代のものではなく以後に建て替えられたものと考えられる。しかし、周囲に郊外の住宅地が展開している中で、旧宿場町の街区に入ると他とは明確に空気が異なるのを感じる。
 もともと建て方に余裕があるからか、建て替えに当り街路から建物を控え、前庭に植栽するなどして緑濃い家並の雰囲気となっており、宿場町というより裕福な商家の邸宅地とでもいった風情だが、瓦を葺いた立派な門構えが残されていたり、屋号が表札に並んで掲げられていたり、また一角には高札場が復元されていたりして、宿駅らしさが演出されていた。
 
   

訪問日:2024.06.02 TOP 町並INDEX