丹後大宮の郷愁風景

京都府大宮町【産業町】 地図 <京丹後市>
 
町並度 5 非俗化度 7 −縮緬で栄えた丹後半島付け根の町−
 








 大宮町の主邑であった口大野村は現在でも町の中心で、丹後大宮駅の西側にある旧道に沿っては渋い町並が展開している。洋風建築の旧口大野村役場が象徴的である。
 丹後は縮緬織という織物業が江戸期から発達し、この付近がほぼその中心にあたる。口大野村には機屋の大会所と呼ばれる業界の自治組織が発足し、京問屋の独占的支配に対抗している。
 海岸には面していないが竹野川の流域には狭いながら平地が形成され、沃野に恵まれこの地域は江戸の昔から比較的裕福であったようだ。商家を思わせる平入りの建物が高密度に残る姿からそれを感じさせる。ただ、昭和初期の丹後地震の際に大きな被害を蒙ったため、江戸の昔に遡るような外観の建物はなく、その頃に建て替えられたであろう姿を示していた。
 横路地に入っても土蔵が見られる小路など、趣を感じさせる小風景が展開していた。

 






旧口大野村役場

訪問日:2012.04.29 TOP 町並INDEX