誕生寺門前の郷愁風景

岡山県久米南町<門前町> 地図 
町並度 3 非俗化度 8 −誕生寺の門前町 辛うじて体裁を保っている−




誕生寺の本堂(左)と薬医門より見る門前風景


 岡山と津山を結ぶ津山線のやや津山寄りに誕生寺という駅がある。一風変った駅名で、北西側に同名の寺がある。
 浄土宗の開祖である法然上人の生誕を記念し名付けられたのだという。鄙には稀なというと失礼かもしれないが国重文に指定された薬医門、元禄期に再建された本堂をはじめ阿弥陀堂、庫裏など数多くの堂宇が配置され、また宝物殿もある。
 法然は生後間もなくこの寺のある地を離れ、別の寺で幼少期を過し、以後ここに戻ってくる事は無かったが、法然の弟子が本人の希望により生地に寺を建立し、それが今の誕生寺の興りとされている。
 薬医門の前に立って門前を眺めると、僅かな門前街らしき家並が連なっている。参拝者は今でも少なくはないものの、現在でも客相手をしている店舗は1軒のみのようであった。
 門前には街路が一直線に伸び、これが門前街であったことは間違いない。平入りで切妻・入母屋屋根が混在するたたずまいは伝統的な建物も散見され、参拝客により賑った時期があったことが伝わってくる。ほぼ全戸において、1階部の開放的な構造を残していることからもそれが証明できる。
 但し、数分も歩くと門前街は途切れ、田園が広がっていた。








門前の町並


訪問日:2008.09.14 TOP 町並INDEX