湯本の郷愁風景

福島県天栄村【温泉町】 地図
 
町並度 4 非俗化度 6 −峠下に開ける湯治色の濃い温泉街−





湯本の町並


 須賀川から会津方面を結ぶ国道118号線の峠近くに開ける湯本温泉。標高600m弱の地に閑静な温泉街を展開させている。浜通りにある湯本温泉と区別する意味で、通称岩瀬湯本温泉と呼ばれる。
 歴史は古く1000年を数えるといわれ、嵯峨天皇の病を癒す目的で発見されたともいわれている。
 江戸時代は白河藩領で、安永年間(18世紀後半)で390人の人口を擁していた記録がある。湯治色の濃い温泉地で、藩主もよく訪れていたという。
 国道から派生する脇道に沿い、小さな温泉街が形成されている。国道が整備されるまではこの道が主要道だったのだろう。その道に沿い旅館が散在する。茅葺の外観を見せるものも少なくなく、またトタンに覆われたものも元茅葺だったものと思われるので、一昔前までは軒並茅葺屋根の建ちならぶ町並だったに違いない。
 中でも威厳を誇るのが温泉街の中心に鎮座する湯口屋旅館だ。壮大な茅葺の建物で、古びた看板や二階部の木製欄干などに威厳を感じる。茅葺屋根と欄干の組合わせはあまり見ることのできないものだろう。
 5分と歩けば通り過ぎてしまうほどの小さな温泉街、山間の地にあって異彩を放っているといえよう。









訪問日:2015.09.20 TOP 町並INDEX