粟生の郷愁風景

石川県寺井町【宿場町 地図 <能美市>
 
町並度 5 非俗化度 8 −手取川を控えた北陸街道の宿駅−
 
 



 
旧北陸街道沿い粟生の町並 


 加賀地域のほぼ中央部、手取川下流部左岸に位置する粟生地区。白山連峰を水源とし日本海にそそぐこの川は下流域で広大な扇状地を形成し、この粟生付近が扇端に相当する。
 地区内には北陸街道が通過し、江戸前期の寛文6(1666)年には既に宿駅として駅馬30匹、馬方36名が配備されていた。また渡船3隻と渡し守36名が記録されている。これは手取川を挟んだ次の宿場・水島宿との間の川渡りのためであり、手取川の渡しは街道上の難所であった。そのため増水時には宿を取らざるを得なくなるなどして、賑わった宿場だったようだ。
 旧街道は明確に残っており、周囲に新しい住宅地が面的に拡大しているものの街村の形が保たれている。妻入り中心の古い町並が500mほど連なっていた。赤瓦を背負い、街道に面した妻部の真壁など、この地方らしい佇まいが見られた。伝統的な建物の連続性が感じられる箇所もあり、予想以上の町並が展開していた。
 一角には「創業明治拾八年」とある糀店の看板を掲げる旧家もあり、少なくとも鉄道が開通するまでは宿場町以来の町の賑わいが続いていたのだろうと感じさせた。
 
 



 
   
 



 



訪問日:2025.10.20 TOP 町並INDEX