哲多本郷の郷愁風景

岡山県哲多町【在郷町・街道集落】 地図 <新見市>
町並度 5 非俗化度 10  −吹屋往来沿いの町並−




哲多町本郷の町並


 哲多町は新見市の南10kmほど、高梁川支流沿いに集落が点在し、中心は本郷地区と呼ばれる。
 商業町新見と、鉱業で栄えた吹屋の中間に位置し、吹屋往来と呼ばれる街道沿いに開けた在郷商業町的性格を帯びたところである。
 また付近は中国山地一帯で行われた砂鉄採取でも賑わい、鉄穴場、たたら場、鍛冶場も発達した。それらの収入と街道の往来により、町場が発達していた。
 この哲多本郷の町並では、県道の東側の川に沿って残る旧道沿いが古くからの町場らしく、伝統的な家並が残っていた。平入り妻入り混在で、基本は漆喰の塗屋造りである。多くでは1階部が開放的な構造となっており、ほとんどが店舗だったのだろう。
 重要伝統的建造物群保存地区に指定されている吹屋にも多く見られ、また山陰にも通じる赤褐色の瓦が優勢なことから、吹屋から山陰に通じる商取引もあったのではないかと思わせる。この町に関する資料が今ひとつ乏しいが、近くに産業町吹屋があった影響は間違いないところだろう。







訪問日:2016.05.05 TOP 町並INDEX