徳地町は防府市の北、市街に流れ込む佐波川の中上流域に開ける。山地に囲まれた谷間や盆地に幾つかの町場が展開し、中心地である堀地区、北部の八坂地区などに代表される。 |
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八坂の町並 | |
八坂の町並 | |
八坂の町並 | |
この佐波川に沿っては、主要なものではなかったが陰陽を結ぶ街路が通じ、南端は港町である三田尻に達していた。川運もあったと思われ、地方交通や港に向けての物資の流れのある地域であった。付近の山林は良質の木材が産出されることで有名で、奈良東大寺の造営に使われたとも言われている。 ここで紹介する八坂地区は古い町並が比較的残っていた。谷間が徐々に開け盆地にさしかかる辺りにあり、周囲の山間部からの物資が小規模ながら集積するところだったのだろう。ここは周防地域であるが、屋根瓦は長門地域と同様に赤褐色が目立ち、街道を通じた文化の伝播があったのだろうか。平入りと妻入りが混在する家並はわずかな区間に残っているだけではあるが、連続的に連なり見応えを感じる箇所もあった。旅館の看板を掲げた建物が複数見られたのはこの小さな集落では意外であった。 堀地区は徳地の中心で、スーパー等もありわずかながら商圏を形成しているようだ。かつては防府から防石鉄道という鉄道線が達しており、石というのは石見を示し、本来は島根県とを結ぶ計画で建設が始まったというが結局この堀まで開通後、昭和39年に廃線になっている。 かつての駅前旅館が伝統的な構えそのままに現役なのが貴重な存在である。堀地区にはホテルも無く、現場作業員などを中心に需要があるという。周囲にはわずかながら古い構えの建物が見られた。 |
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堀の町並 | 堀の旅館 |
訪問日:2013.03.24 2018.10.12再訪問 |
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※後半2枚は2018.10再訪問時撮影