泊の郷愁風景

鳥取県泊村<漁村・宿場町> 地図 <湯梨浜町>
 町並度 5 非俗化度 10
−伯耆最東端に位置する漁村 山陰街道の宿駅でもあった−




泊の町並


 県の中央部、倉吉の市街地から北東方向10kmほどの位置に泊地区はある。この付近の海岸線は砂丘地帯であるが、この辺りから鳥取市の西側にかけては山がやや海に迫り、入江も多く見られ、古くから漁村が発達したところだ。この泊もそのひとつである。


泊の町並
 


 泊漁港は現在は零細化しているが、藩政時代には直轄の船番所が置かれるなど重要な港で、藩により魚介類の水揚げのための堤が築造され漁港として発達した。現在の中心集落である泊は漁村の色濃い佇まいで、港沿いに2車線の車道があるが、かつては海岸部から細い路地が多数延び、それらに区切られた短冊状の土地に家々が立地していたのがわかる。その奥には海岸線に並行するやや広い街路があり、これがメインの道だったのだろう。
 またこの街路を西進すると引続き街村的な町並が続いている。この園地区は旧山陰街道に沿った町並で、この地区を中心に宿駅的機能もあり、鳥取藩の御茶屋もあったという。但し、当時の記録では旅籠屋9戸に対して漁業144戸、商業35戸など比率は低く、実態的には漁村、在郷町としての性格が強かった。
 伝統的な建物は両地区とも漆喰の塗屋造りで町家らしいものも散見されるが、多くは木質感の高い漁家らしい外観の建築が多い。連続性を保つ箇所もあり、古い町並としても評価できるところだ。
 




園の町並



園の町並

泊漁港の風景
 

訪問日:2014.08.13 TOP 町並INDEX