利根川下流左岸の郷愁風景
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川尻の町並 | |
茨城県南東端の神栖・波崎地区は利根川と太平洋に挟まれた細長い陸地が展開する。 利根川が運搬した土砂により形成された土地で、外洋に近いこともあり強風の影響を受けやすい土地であることから、この地区には屋敷林・防風林が発達しているのが特徴だ。 特に利根川左岸に位置する川尻・矢田部地区、やや上流の高浜地区には集中的に見ることができ、この地区の風物詩的な町並風景といえる。 これらの地区は銚子から内陸部への物資輸送路ともなっていたようだが、利根川水運に委ねるところが大きかったようで街道集落的機能は低かった。基本的には農村集落であった。特に川尻地区では集落の周囲に広大な水田が見られる。砂地で透水性が高いため本来水田には不向きであるが、表層の砂質土を取り除いて造成した「掘り下げ田」と呼ばれる工法が取られた。それにより潤沢な農産物が得られたようだ。 従ってこのエリアで見られる集落も農村集落型だ。前庭を持ち、街路と隣家を区切るように植込みが植栽されている。どの地区でも共通するのは、よく手入れがなされていることだ。綺麗に直線的に刈り込まれた生垣の連続からはある種の厳かさすら感じさせるものがあった。 古い町並というには少し異なるものかもしれないが、その外観上の特徴から何時までも残してほしい集落景観である。 |
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矢田部の町並 | |
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高浜の町並 |
訪問日:2016.04.29 | TOP | 町並INDEX |
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