土庄の郷愁風景

香川県土庄町【商業町・漁村】 地図
 
町並度 3 非俗化度 7  −小豆島の交通・商業の中心−
 小豆島の西部、土庄町は島の玄関口にあたり岡山や宇野、高松、町内に含まれる豊島など各地からの客船が発着している。
 古くは単なる漁村で石材業がある程度であったが、江戸後期頃から素麺製造や醤油醸造が盛んになり、塩田跡を利用し紡績業も興った。これらの発達は海上交通の玄関であったことと無関係ではなく、郡役所や金融機関、商店が集中してますます発展を見た。島内交通も大正8年に東部の坂手との間に乗合自動車が運行をはじめ、昭和初期には小豆島自動車の成立により土庄を起点に各地への路線網が完成した。
 


 
  西光寺横の路地 


 


 


 町の中心は土庄港より1kmほど南東に面的に展開する。バスなども通るメインの通り以外は小路がほとんどで、しかも迷路の町との案内板も目につくように複雑に入組んでいるのが特徴だ。
 その中心に位置するのが西光寺といえよう。立派な仁王門に緑濃い敷地、路地から見える三重塔が印象的だ。小路群もこの寺を見ながら歩くと、ある程度は迷わずに済みそうだ。
 本瓦を葺いた商家の建物などが見られるものの、古い町並としての連続性は感じられない。一部は商店街となり、また土蔵などが見られ人がすれ違える程度の路地もあるので、それぞれの町の風景を感じながら無秩序に歩いてみるのも面白かろう。
 土庄は大正時代の俳人・尾崎放哉が晩年を過した地でもあり、西光寺の奥の院である南郷庵に起居し病身に鞭打って句作を行っていた。町の所々に放哉の句が掲げられているのを見ることが出来る。
 
 



 
   
 



 

訪問日:2021.04.24 TOP 町並INDEX