土佐清水の郷愁風景

高知県土佐清水市【漁村】 地図 
 町並度 4 非俗化度 10 −黒潮に対峙する四国南西端の町−

   

 四国の南西端に位置する土佐清水市は足摺岬などの観光地も有するが、高速道路網がかなり整備された現在にあっても交通の便が良いとはいえずなかなか僻遠の地という感がある。
 
市場町の町並




 
市場町の町並 本町の町並




栄町の町並


 地名の由来は、沖を行き交う交易船や漁船にとって非常に大切な水をここで得ることができたためとも云われている。実際水の豊かな土地として知られ、清水の名水として土佐の三名水に数えられていた。
 沖に流れる黒潮は異国船も多く通過し、しばしば破船・漂着した。そのため遠見番所が設けられるなど海上警備の拠点となった。また清水は鰹漁そして鰹節への加工業が現在に至るまで盛んで、主に紀州印南の漁民によって漁が行われ、水揚げされた鰹を加工した。
 市街地は足摺岬半島基部西岸にあるわずかな平地に開けており、港に近い地区ほど古くから開けたように感じた。本町、市場町といったところにはその色が濃く、土蔵も見られることから鰹漁などで裕福となった漁家が住まう地区だったのかもしれない。住宅にしても商店にしても比較的建て方が似た外観の家々が多く、いずれも木質感が高い。
 この外側の地区は商店街や繁華街となっており、呑み屋の横丁、銭湯、パチンコ店などが見えたが、閉店している姿も目立ち少し寂しい雰囲気となっていた。昼に歩いたこともあるだろうが、やや場末の雰囲気といったものが感じられた。




商店や繁華街の見られる北西側の街区 右はもと映画館の建物を飲食店に利用したものか

訪問日:2019.08.11 TOP 町並INDEX