土佐山田の郷愁風景

高知県土佐山田町<商業町> 地図  <香美市>
 
町並度 4 非俗化度 7  −香長地区と呼ばれる高知平野北東部の中心−


 

東本町の町並
 

 土佐山田町は高知の市街地から東北東に約15km、高知自動車道や土讃本線が通過し交通の便も良く、高知平野北東域の中心的な町である。この付近は香長平野とも呼ばれ、近年になって園芸農業が盛んに行われ、その他稲作、酪農と県下でも先進的な農業がおこなわれてきた。
 関ヶ原の合戦後、土佐は新国主・山内一豊により古い領有関係が一新され、新しい行政単位が構築された。山田村は庄屋・屋谷甚右衛門が村役人に指名され、体制が整えられた。
 山田野と呼ばれ原野の広がっていた付近一帯は、山田堰など治水事業、井戸の掘削や農地の整備などが行われ移住するものが増えた。地形的に平野の縁端部にあり北部の山地から物資の集うところとなり、また高知城下への水運も整備され、商業町が発達した。
 土佐山田駅と国道195号との間の東西の道が古くからの市街地で、西本町・東本町と呼ばれる地区が約2kmにわたって続く。ただしほぼ全体が商店街となっており、伝統的な建物が残るのは両端付近で、中央部は現代的な町並景観となっている。漆喰の塗屋造りで商家の佇まいが目立ち、かつては町並中心部を含め長大な古い町並の連なりがあったに違いない。
 西本町の一角には、登録文化財となった造り酒屋らしい建物、煉瓦塀に囲われた洋風の建物など、印象的な町並風景がいくつか見られた。
 

 

 西本町のもと造り酒屋
 

 

西本町の町並  

訪問日:2022.09.25 TOP 町並INDEX