富山県上市町<商業町> 地図 町並度 5 非俗化度 8 −立山への入口にも位置した在郷商業町− |
東町の町並 | |
上市町は県の東部、町域の多くは山間部で南東は立山連峰につながる山岳地帯となっており、市街地や集落は平野部である北西部に集中している。富山地方鉄道が富山方面・宇奈月方面を結び、当駅では平地ながらスイッチバック駅となっている。 近世初め頃に上市川の治水工事が行われ、中小の枝川や分流が本流に統一されて旧河道に新田を開発し、この頃から町の発展がみられた。もともと立山への参詣路などが交差する交通の要所であり、物資が集まりやすく商業町として発展した。 三斎市と呼ばれる市が立てられ、18世紀半ばの延享年間頃には九斎市に移行して続けられた。また上市木綿と呼ばれた木綿産業も特産で、弘化元(1844)年頃には毎年加賀藩にも献上されていたという。明治に入ると衰えたが、明治24年から羽二重の製造をはじめ、最盛期には県内の6割以上を占める一大産業となった。製薬業も起こり、様々な産業の盛んな土地として発達してきた。 農業協同組合の事務所の入るやや殺風景な上市の駅を出て北に進むと、商店の点在する東西の通りに差し掛かる。東に歩を進めるとアーケード付の商店街となった。安政6(1859)年の『諸商売取調理書上申帳』によると、綿打67軒、大工21軒、鍛冶屋16軒、豆腐屋・質屋15軒、綿屋24軒、呉服屋10軒その他にも多種にわたる商家が記録されており、現在の町の姿の原形といってよいものであったのだろう。 そこから周囲に足を向けると袖うだつを持つ町家風の建物があちこちに見られ、古くからの商業町の広がりを感じさせる。洋風の医院の建物、小柄な酒屋や飲み屋のある風景などが見られる筋もある。この地方らしい出桁の構造ながら、大阪を中心によく見られる二重・三重に重積した外観の屋根が多く見られるのも印象的だった。 |
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訪問日:2019.01.01 | TOP | 町並INDEX |
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