新庄町の郷愁風景

富山市新庄町<商業町> 地図
町並度 4 非俗化度 6  −豪壮な旧薬種商のある佇まい−




新庄町の町並 左は旧薬種商・金岡邸


 富山市新庄町は市域の東部、中心市街地からは外れ静かな住宅地、商業地が展開している。
 東に常願寺川を控えた要害の地として中世には新庄城が存在しており、軍事上の拠点として数々の戦の舞台ともなった。また交通上も、富山城下から上市を経て立山方面に向う上市往来、北陸道などが交差・通過し、元禄9(1696)年には馬継宿に定められ、宿駅的な役割も帯びていたとされている。
 また付近に開かれた金山や鉱山への入口ともなっていたことから、17世紀後半の寛文の頃には越中七金山を支配した役所がここに置かれたという。今も新庄銀座という地名が残るのは、その役所の跡地であると考えられている。
 そのような背景もあり古くから町場が発達していたようだ。富山地方鉄道の東新庄駅から北に向うとすぐに旧上市往来につきあたり、所々に商家風の建築が見られ古い町並の雰囲気がある。中でも薬種商の館として公開されている金岡邸は明治初期建築の主屋を中心に威厳に満ちた構えを見せている。邸内には富山の伝統的産業・売薬業に関する貴重な資料が展示される。年始で内部は見学できなかったが、古い町並としては小規模な中でこの旧家が印象の多くを占めるものである。
 








訪問日:2019.01.01 TOP 町並INDEX