壷屋・牧志の郷愁風景

那覇市壷屋・牧志【産業町・商業町】 地図(壷屋地区)地図(牧志地区)
町並度 4 非俗化度 4  −市街地の非戦災地区と庶民的商店街−





 




壷屋地区の町並 市街地にありながら伝統的な家屋 琉球石灰岩の塀も見られる
 

 
 那覇の市街地は中心部では比較的整然とした近代都市といった印象である一方、そこを少し出外れると非常に無秩序といった感触となる。それは意外と起伏が多いという地形的なものだけでなく、街路形態も迷路状に入り組み、小路や路地が交錯している。よそ者が足を踏み入れがたいような複雑さだ。
 ここで紹介する町並はそのような位置にあり、また個性と歴史が感じられる数少ない場所である。
 壷屋地区は中心街より1km余り東側の比較的閑静な一帯で、現在焼物店が多くそれを求める客も多い。この地区は陶土層があるため古くから陶窯が置かれていた。琉球王府は窯業の振興を図り、この地区に陶工を集め、国頭地区で産出される木材を仕入れて燃料を確保し操業していたといわれる。17世紀頃には既に窯業集落が形成されていた。焼物は日用品のほか、この地区独特の屋根神であるシーサーなども造られ各地に販売されていた。
 第二次大戦時に地上戦が展開されたこの地は完膚なきまで破壊されたが、この壷屋地区は独特の複雑な地形が幸いして一部は類焼を免れている。そのため伝統的な建物も少し残っており、代表的なのが国重文に指定されている新垣家住宅である。但しあいにく私が訪ねたときは解体修理中で全容が見られなかった。
 壷屋地区から西に向うと商店街が展開し始める。この付近から那覇で最も賑やかな国際通りにかけてアーケードに覆われた商店街が複雑に展開している。いつの間にか商店街の名称を変えて別の方向に連なっていたりして、これも戦後の闇市が発端だったことによるのだろう。かつては那覇の場末の地で、戦後各地に疎開していた住民がこの周辺に集まり、混沌とした集結を見たところである。
 国際通りからも近く、観光客も多く訪ねる地域でありながら昭和的なレトロ感が色濃く漂う商店街で、取扱う品も沖縄独特の品々が目立つ。特にその中心にある公設市場は近海の魚介類、島ラッキョウや豆腐などの生鮮食料品や加工品、豚や山羊肉などの特有の食材その他、わが国にありながら異国的な文化ともいえる品々に接することが出来る。
 近年になって空港からモノレールで直結した市街中心部では町の個性は淡いが、この界隈ではそれを強烈に感じることが出来る。
 




昭和的な商店街が大規模に連なる牧志地区




独特の食材が取扱われる牧志公設市場

訪問日:2013.01.05 TOP 町並INDEX