真鍋の郷愁風景

茨城県土浦市<宿場町> 地図 
 町並度 5 非俗化度 7  -城下の北縁にあった宿場町-







真鍋3丁目の町並


 
土浦市は城下町に由来する常陸を代表する町のひとつであり、今でも茨城県南部の中心都市ともいえるところである。
 城下には水戸街道が貫き、土浦宿として宿駅機能も有していたという。城下町内で何度も屈曲を繰り返しながら北端付近にある旧真鍋宿に達している。この真鍋宿は、しばしば土浦宿の一部として、また間の宿として取り扱われていたらしい。土浦宿の常助郷として指定されていたとの説もあり、確定的なところではないが、土浦城下町及び宿場と密接なつながりがあったことは間違いないだろう。
 土浦旧城下町の中心から離れ単独に残るこの真鍋は、土浦市街地とは別に紹介することとしたい。
 土浦駅から北西に2kmほどにあるこの地区は市街中心の外縁にあたり、住宅地が広がっている。その中に所々伝統的な建物の散見される街路が南北に貫いている。これが旧水戸街道で、特に国道125号線に合流する手前の坂道にある程度まとまった古い町並的景観が残っている。旧宿場の旅籠というよりは、明治以降に豪商として栄えた間口の広い邸宅を中心に残っており、商業町の装いである。
 300mにも満たないほどの短い坂道に濃厚な古い町並を残すのは、坂の頂上と上り口がそれぞれ脇道の追分になっていたことにもよるのだろう。そこから南部に足を運んでも、所々に出桁造りの関東的な外観の町家などが散在的ながら残り、旧街道沿いであることが認識できる。

 
 
 








訪問日:2014.05.03 TOP