付知の郷愁風景

岐阜県付知町【街道集落】 地図 <中津川市>
 町並度 5 非俗化度 9  −旧道に沿い延々と連なる街村−


 付知地区は下呂と中津川を結ぶ国道257号沿い、付知川沿いの細長い平地に沿い町が開けている。
 国道の付知峡入口付近で西側に旧道が分岐している。この付近から家並がはじまり、途中や
密度が低くなる箇所もあるが、長々と街村が連なりその距離は4km余りに及んでいる。地方の町としては異例の長い町並展開である。
町並の北端付近 間口の広い建物が目立つ






 



 
 この街道は南北街道と呼ばれたもので、飛騨と美濃を連絡し、中山道さらに三河と伊那地方を結んでいた中馬街道へつながっていた。南北街道は脇往還ではあったが御嶽山の信仰の道としても利用されるなど往来が盛んで、また地元では鎌倉街道とも呼ばれていたように、鎌倉期に幕府と飛騨を結ぼうとして開かれた道だといわれる由緒ある街道である。
 加えて木曽川沿いの港町であった八百津・兼山からの黒瀬道がここで合流していたことで、物資の集散地として賑わった。付知は宿駅的機能も帯びていたと言われる。
 家々は街道集落らしく軒を接した姿が基本で切妻の平入りが多くを占め、中には妻部にうだつを持つものもある。また旅館が多いことも特徴で、古い構えのまま営業を続けている姿も眼につき、また看板等はないものの二階部に木製欄干が残るものも見られ、その中にも旅館だったものがあるように思われる。
 南部は下付知と呼ばれ区分されているらしく、郵便局等も別に設けられている。そのためか北部とは若干町並の雰囲気が異なり、家々の密度が濃く商店も目立ち、市街地といった様相を示していた。一方でそれ以外の区域では間口が広く、建て方にも余裕が感じられた。




下付知地区にある現役の旅館(右)


訪問日:2017.07.16 TOP 町並INDEX