筑波参道の郷愁風景

茨城県つくば市【門前町】 地図
 
町並度 5 非俗化度 6 
−筑波山神社の門前町 ビル旅館街の陰にひっそりと残る江戸期からの参道の姿−





筑波山神社近く かつての参道沿いに展開する町並





 筑波山は標高は800m余りながら関東平野から直接聳えていることもあってかなり遠くからもその姿を眺めることができる。古くから信仰の山として崇められてきた。山体自体が神体であり、男体・女体山と呼ばれる二つの山頂がそれぞれ本殿、中腹からそれらを見上げる位置に拝殿がある。総じて筑波山神社と呼ばれている。
 ここで紹介するのは拝殿近くに展開する町並で、山頂に向かうケーブルカーの宮脇駅から観光ホテルなどが建ち並ぶ地区に接している。古くから江戸方面からの客を迎え入れたところである。
 江戸からは鬼門にあたる北東方面にあり、幕府の祈願所として指定され徳川家により門前町が形成されたのだという。
 この一帯はその名も筑波集落といい、神社門前の中心に位置する場所にあった。今では山麓から車道が通じており、観光客はそちらを利用するが、江戸期からの参道は山肌を直線的に急勾配で登っていた。現在でもその道筋は残り、近代的なビル旅館の建ち並ぶあたりから細い坂道が下っている。かなり急な道で、一部では階段となっている。その石段も相当に年季の入ったものであり、歴史を感じさせる。一角には旧筑波山郵便局が下見板貼に瓦屋根という和洋入り混じった独特の外観で残っていた。
 間口の広い邸宅や土蔵もあちこちに残り、坂道斜面上に展開することもあり独特の風情のある門前町であった。



左は旧筑波山郵便局の建物




   
訪問日:2014.05.04 TOP 町並INDEX