木田の郷愁風景

愛知県美和町 <街道集落> 地図 <<あま市>
 
町並度 5 非俗化度 9 −津島上街道に沿い発達した集落−



 


 
木田の町並 
 
 

 名鉄津島線の木田駅の北側に伝統的な家並が街村的に連なる一角がある。線路に並行するようなこの街路は津島上街道と呼ばれ、名古屋城下と津島を結ぶ街道であり、さらに美濃高須に続いていたので高須街道とも呼ばれていた。
 享保年間頃には六斎市がはじまり、街道沿いに茶店などが出来賑わったという。この津島上街道は伊勢参拝の道としても多くの旅客に利用されていたため、需要も高かったのだろう。
 明治7年に調査された記録では、米穀商1、酒造2、油業4、菓子業14、旅宿業3などとある。
 周辺はもと田園地帯を宅地化・商業地化したところと思われ、家並を出はずれると袋小路になっていたりと無秩序な箇所が多い一方で、この旧街道は古くから開かれていた様子が残る家並からわかる。平入りの古びた家々が連なり、小路奥に複数の土蔵を従えた非常に奥行の深い御宅も見られた。商売をされていた家も多かったようで、ガラス窓に商店の名の残る旧家もあった。
 街路幅は津島上街道時代のままと思われ、改修が行われなかったのが幸いしてか大都市近郊においてこのような風景が残るのは貴重といえよう。
 


 
 



 

訪問日:2020.07.19 TOP 町並INDEX