津和地島の郷愁風景

愛媛県中島町<漁村・港町> 地図 <松山市>
 町並度 6 非俗化度 10 −周防との国境近くに位置する島の港町−








 


 松山沖の忽那諸島と呼ばれる島々の中では最西端を占める津和地島は、西に数キロのところに山口県周防大島を控える県境の島だ。
 国境に位置することもあるからか諸島の中でも港町的性格が強く、港が古くから形成され、松山藩主の参勤交代時の寄港地となり御茶屋が設置された。また西廻り航路の商船が風待ちに利用する事も多かった。また幕府関係の船も頻繁に寄港し、それらは長崎奉行の役人、各地への巡検使、さらには朝鮮通信使の来訪もあったという。それらの乗組員を歓待する遊女屋も存在したというが島民の利用は禁止されていたという。
 島の東端には現在の灯台にあたる常灯が藩により設置され、番人2名が常駐していた。
 漁業は鯛や鰯などの近海での漁、蜜柑栽培など半農半漁の島で、現在は玉葱なども名産となっている。
 港の周囲は穏やかに弧を描いた海岸線が連なり、それに沿い細長く家並が連なる。1km以上にわたって続き船から見ると大きな集落との印象を受ける。家並は海岸沿いの道と、一本山側のやや細い道に沿い連なる。後者がかつてのメイン道路だったのだろう。時折遠見遮断の目的なのか折れ曲りを見せる街路に沿っては木質感が高い建物が目立ち、港町・漁村らしい風情を感じることができる。一部には長屋門的な門構え、土蔵なども見られる。
 
 



長屋門的な門の見られる一角




 

訪問日:2016.08.11 TOP 町並INDEX