上野原の郷愁風景

山梨県上野原町宿場町・商業町 地図 <上野原市>
 町並度 5 非俗化度 7  −甲州街道甲斐最東端の宿駅−

 





上野原の町並


 山梨県の最東端に位置する上野原は北から東を東京都と神奈川県に接し、甲府から見るとかなり八王子寄りの位置にある。首都圏の一部といってよいところである。
 相模川の上流域にあたる桂川の形成した河岸段丘上に古くからの市街地が開け、国道20号線が横断している。中央本線の駅は段丘下の桂川に近い場所に設置されている。
 甲斐国都留郡に属し、関東への入口にあたる地理的条件から戦国期より口留番所が設けられていた。江戸時代に入って甲州街道が整備されると、上野原宿が設けられた。江戸からは甲州最初の宿駅であり、18世紀半ばの寛保期には1・6の日に市が開設され、後背地の山村などから産物が集まり、八王子などにも近いこともあって当時既に大いに賑わいを見せたという。
 江戸期は甲州街道の宿駅としての賑わい、また相模川水運を経ての相模湾沿岸地域との物資交流、郡中地域一帯で盛んだった織物産業などで繁栄したのだが、宿駅制度廃止後は輝きを失った。国鉄中央本線が開通してからはしばらく純粋な商業町として経過したあと、立川周辺の軍事施設・軍事工場の集積に伴ってそれらへの通勤者も増え、以後東京の郊外地の一部ともいった県内でも独特の立位置を占めるに至っている。
 旧宿場町はそのまま国道20号線が踏襲している。商業地ともなっており伝統的な建物も多くが近代的な商店の外観になっているが、それでも町家型、土蔵型、洋風建築(看板建築)型と3種の古い建物の形として残っており、意外性の町並といえる状態だった。国道が東西から南北に直角に折れる辺りから北西に向う道筋にも、伝統的な建物が散見された。
 町並として保存に値するレベルかどうかはやや疑問ではあるが、幹線道路沿いにあってよく残ったといってよかろう。
 








 

訪問日:2015.05.02 TOP 町並INDEX