梅迫の郷愁風景

京都府綾部市<街道集落・陣屋町> 地図
 
町並度 5 非俗化度 10 −小規模ながら陣屋も置かれた街道上の町−




 綾部市梅迫地区は市域の北部、舞鶴線、国道27号が地内を縦貫しており、梅迫駅がある。近くには高速道のジャンクションもあるなど、交通上の要地でもある。
 交通の要衝としての歴史は古くからあったところだ。田辺(舞鶴)と京都を結ぶ街道はここを通り、東側の山間部から山家村を経由し山陰街道に合流していた。
 



 


 今では田園の中の小さな集落と言う印象に過ぎないが、山家藩主谷氏が一族に1500石を分知し、寛永4(1627)年にここに陣屋を構えさせたことで発展を見た。上町・新町が立てられ、小規模ながら地域政治の中心、街道の要衝として発達した。
 国道や舞鶴線から川を挟んだ対岸に旧街道筋があり、家並が連なっているのが見える。両側に建ち並ぶ家々は特に町並の南部で連続性が見られ、裏手に土蔵を持つものもある。漆喰が適度にはがれた土蔵の壁を見る横路地もあり風情を感じる。
 街路が二度直角に折れ曲がる箇所があり、遠見遮断が図られていたようだ。辺りに小さな道標があったので見ると「京みち」「たなべ」と刻まれており、古くからの街道沿いであったことを示していた。この前後には妻入りの大柄な商家建築や、つし二階の造りを残す町家風の建物などが見られ、町の中心だったことを思わせた。
 ここは事前に探訪予定はなかったが国道側から見て街道集落らしい家並の連なりを見て訪ねたもので、思わぬ発見の町並となった。
 
 



 
 

 



訪問日:2023.10.21 TOP 町並INDEX