下時枝の郷愁風景

大分県宇佐市【門前町】 地図 
 
町並度 4 非俗化度 7  −芝原善光寺の門前町−

 日豊本線の中津と宇佐の間に豊前善光寺という駅がある。駅より南西1kmほどのところ、10世紀半ばに空也によって創建されたとされる非常に歴史の古い寺院である。
重要文化財に指定されている善光寺の本堂
 

 信州と甲州の善光寺とともに三大善光寺と呼ばれ、その他各地に存在する善光寺と区別するために芝原善光寺、豊前善光寺などと呼ばれる和唐折衷の本堂が重要文化財となっている。境内も広大で背後の森も深く厳かさを漂わせ、時期にはツツジの名所としても知られる。
 また門前の下時枝地区は、中津藩領、小倉藩領などの時期を経て、元禄期に中津藩主小笠原氏分家の旗本時枝領となり、陣屋も置かれた。幕末までその体制で推移した。陣屋跡は現在幼稚園となっており、史跡を示す標柱が目印となっている。
 善光寺の山門から南を見ると古びた門前街が見渡せる。さらに100mほどで直交する東西の通りに沿っても古びた建物が散見される。この付近が古くからの門前街なのだろう。
 少し調べると、大正ころまでは大いに賑わっていたという。しかし現在は無住となってかなり傷んだもの、空地となったところなどが目立ち、門前街としては機能していないようだ。訪ねた時も参拝客の姿は皆無で、境内の樹木等の手入れが行き届いているのが逆に新鮮に感じられるほどであった。
   






 






訪問日:2016.07.17 TOP 町並INDEX