宇佐四日市の郷愁風景

大分県宇佐市【門前町・陣屋町】 地図
 
町並度 5 非俗化度 7  −二つの本願寺別院のある町−




 
門前に展開する四日市の町並


 宇佐市四日市地区は江戸期に陣屋がおかれ、近傍に市役所もあり市の中心をなしている。その昔は四日市城があり、廃城後は中津城主の小笠原氏が支配していたが、元禄13(1700)年に幕府により召上げられ、4万石を支配する代官所が設置された。慶応3年に筑後久留米藩預り地となるまで、四日市陣屋による幕府の支配を受けていた。
 またもう一つの特徴として、地区内に二つの本願寺の別院があることだ。宗教的なことに不案内な私の文では伝わりにくいので、東本願寺四日市別院のホームページから引用する。

 真宗大谷派四日市別院は、大分県宇佐市四日市にある真宗大谷派の寺院である。同派の別院。真宗本廟(東本願寺)を本山と仰ぐ。日豊教区に所属する。
 浄土真宗本願寺派の本願寺四日市別院(西別院)と隣接し、東別院とも呼ばれる。このように両派の大寺院が隣接する景観は他に例を見られないとされる。江戸時代には九州御坊と呼ばれ、九州の同派寺院を総鑑する大寺院として栄えた。


 この二つの寺院を中心に家並が展開しており、両別院の門前町といった風情である。仏具屋街や土産物屋街といった典型的な門前街は形成されていないが、塀を巡らせた邸宅や商家の建物が並び風情のある一角もある。小規模ながら飲み屋街のような一角もあった。
 訪れる人もほとんどなく静かなたたずまいだった。訪ねたのが夕方に差し掛かっていたためもあるだろうが、大変特色のあるところなのに、この両寺院も町並としても余り知られていないように感じた。
 わざわざ目的として訪ねるまではないにせよ、立寄るには十分に価値のあるところと言えよう。商家の並びの向うに寺の大屋根を望む風景はなかなか見応えするものであった。




 

 





 
訪問日:2021.11.14 TOP 町並INDEX