小手川酒造界隈
臼杵といえばまず思い浮かぶのは石仏であり、石仏の町と言うイメージが先行するが、美濃国より転封された稲葉氏の築いた城下町として、現在もそれにふさわしい町並があることを忘れてはならない。稲葉家の遺構は、廃藩置県後の里帰り住宅とされる下屋敷が代表的で、これは大変な敷地面積を持つ豪邸だ。 武家屋敷は仁王座という地区を中心に残り、他の地区でも駅の西側に古い武家が点在している。 町並らしいのはこの仁王座地区と小手川酒造という地酒の老舗の界隈で、前者では台地上をゆるい坂道が巡り、ゆったりとした速度で歩きたい。また当地は町並の西側を中心に寺院も多く、龍源寺の三重塔は街のシンボルである。観光客の姿も目立ち町並は彼らに多少迎合したような色が伺えるが、風致を乱すような大きな土産物屋などもなく、小人数で散策するにふさわしいところである。