羽前小松の郷愁風景

山形県川西町<在郷町> 地図
 
町並度 4 非俗化度 8  −最上川水運の恩恵を受けた在郷町−







上小松の町並


 米沢盆地の北西部に位置する川西町。国道287号線や米坂線の駅の西側に市街地が発達する。周囲は田園地帯が広がり米どころである。町名は最上川の西側にあることに由来している。
 中世は長井氏、次いで伊達氏が支配していたが、江戸時代の大半は上杉氏の支配下にあった。
 町域の東側は最上川の支流が数多く流れる低平地となっており、町の中心部の北側には犬川が東流、最上川に合流している。最上川は舟運により流域の経済活動に大きく寄与した川で、その恩恵はこの小松にも及んでいた。周囲の盆地や山間部から物資が集積し、置賜地区有数の在郷商業町として発達した。
 旧街道の四辻に交わるところでもあり、陸運でも盛んな物資の行き来があったことも大きく貢献した。位置が頻繁に立ち、現在でも五日町などの地名が見られることにその名残がある。
 米坂線の羽前小松駅前付近の上小松地区が町の中心で、ここでは役場西裏の南北の通りを中心に古い町並の体裁を残していた。その面影は濃いものではないが真壁を見せる妻入りの旧家、土蔵などがあり、洋風の外観のものも見られる。
 北側の中小松地区にも伝統的な建物が散見されるが、その中でも北端付近の樽平酒造は、連続する酒蔵が自ら古い町並を演出していた。
 







中小松の町並

訪問日:2015.09.21 TOP 町並INDEX