原・赤井の郷愁風景

福島県会津若松市宿場町 地図(原) 地図(赤井)
 
町並度 4 非俗化度 10 −猪苗代湖西岸部に展開する旧白河街道の宿駅−










原の町並


 原・赤井地区は猪苗代湖の西、県南白河方面から会津地方を結ぶ国道294号が貫通している。この道筋はかつての白河街道であり、会津藩や北越後の諸藩の参勤交代時にも使われた。
 原村は散在していた九つの小集落を原野の中に集めて白河街道の駅所としたことが村名の由来と云われている。16世紀末の慶長年間には既に街道集落として完成したとされており、17世紀後半の寛文期頃には参勤交代時などに対応した本陣も置かれ、問屋も設けられた。
 旧宿駅の町並は一直線の国道沿いに展開し、トタン葺の家並が比較的規則正しく並んでいた。寄棟屋根が多く、一見妻入りに見えるが玄関が街道沿いから踏み入った平部に設けられている例が多く、その点が特徴に感じられた。その点では旧宿場町らしくない町並とも言える。
 
 
 赤井地区は原地区より北に3kmほど、若松城下からは最初の宿駅であった。近隣の旧白河街道の宿場町群とは違い、国道が旧街道を踏襲していないのが特徴で車の通行も少なく、静かな街道集落の探訪が味わえる。現在の町並の雰囲気からも宿場町としては小規模なものであったようだ。
 かつては街道に面して家々が連続していたのだろうが、現在は余裕のある建て方で、裏手の土蔵の裏に残雪の山々を望む風景は眼福といえるものだった。




赤井の町並

訪問日:2019.04.29 TOP 町並INDEX