若神子の郷愁風景

山梨県須玉町<宿場町> 地図  <北杜市>
 
町並度 4 非俗化度 10 −佐久往還沿いの宿駅−








長屋門を構える屋敷も見られる若神子の町並




 県の北西部、釜無川の支流が無数に流れ下る丘陵上に須玉町若神子地区はある。
 須玉川と西川に挟まれた土地は緩やかに南に向かって傾斜し、街道が南北に貫いている。かつて佐久往還と呼ばれた道で、若神子には伝馬宿が置かれていた。佐久往還は甲州街道の韮崎から中山道の岩村田宿までを結び、甲信の物資輸送に貢献していた。馬2頭と人足2人が常備され、27ヶ村の助郷を従えていた。
 中世には須玉川右岸丘陵に若神子城が存在し、武田氏の拠点として信濃への出陣の拠点となっていたという。その頃には
北に接する穴平地区に既に市が開かれていた記録もあり、その頃には町場が存在したと考えられる。
 町並の形は典型的な街村で、両側に奥行深い敷地を持つ家々が並ぶ。中央付近に大きな長屋門を持つ邸宅があり、土蔵を従え庭には水路が引き込まれている。その姿は宿場町というよりは豪農宅といった風情であった。
 今では商店街の雰囲気はないが、看板だけが残る建物があるなど現代に入っても町の中心として商店が建ち並んでいたことが歩いているとわかる。やや妻入りの建物が多いのが特徴か。山並を遠景に穏やかな坂道に沿う姿は、快い開放感を得ながらの探訪であった。
 







訪問日:2018.09.22 TOP 町並INDEX