渡町の郷愁風景

鳥取県境港市【商業町・漁村】 地図 
 
町並度 4 非俗化度 10  −弓ヶ浜半島に残る意外性の町並−


豪商家風の佇まいも見られる渡町の町並
 弓ヶ浜半島のほぼ中央、中海側にここで紹介する渡町がある。近くには米子空港もあるが至って静かな集落風景が展開している。
 街路は狭く、赤瓦の目立つ家々は小規模な切妻のものも多いが、目立つのが広い敷地に塀を巡らせた豪商風の建物だ。数棟の土蔵を従えたものもある。
 古くから半農半漁の村であったが、江戸時代に周囲の新田開発が盛んに行われるようになって町場として発達し、後期には商業も盛んに行われた。安政7(1860)年には村内の問屋が付近で盛んに産出される繰綿の津出し問屋に指定されている。また廻船業を行うものもあった。
 産業としては農業は砂地のため稲作には適さず、芋類や麦が生産され、漁業はボラや海老が名産であった。
 明治以降も弓ヶ浜半島における製糸業の拠点としての役割を果し、また中海沿岸各村と内航船で結ばれ、零細ながら商取引も発達した。
 付近には寺社もあちこちにみられ、歴史の深い集落であることがわかる。砂洲地帯であるこの地区にあって意外な町並風景が展開している。

 








路地に蕎麦の老舗があった



 

 
訪問日:2011.06.19 TOP 町並INDEX